心理学科では、「自立と共生」という本学の教育理念のもとに、社会人としての幅広い教養を持つとともに、心理学の専門的知識と心理的援助に関する技能を備え、現代社会の人間関係や組織の中で直面する課題に対し、主体的に取り組む能力を持った人材の養成を目的とします。
具体的には、心理統計法、心理学研究法など心理学の基礎的知識?研究法を学び、情報の収集と科学的?実証的な分析力とともに、心理学各分野の専門的知識により他者理解能力や対人援助技術を身につけて、心理専門家として活躍できる人材であり、同時に、心理学の専門性を基礎にコミュニケーション能力、チームワーク力、ストレスコントロール力などを身につけ、課題解決に主体的かつ柔軟に取り組むことにより企業等で活躍し得る人材です。本学科では次のような知識?能力?態度を有するに至った学生に学士(心理学)の学位を授与します。
① 心理学の知識?技能の修得により、自己理解及び他者、社会への理解を深めることができる。
② 心理学以外の幅広い教養と人とかかわるコミュニケーション力を獲得している。
③ 職場や地域、家庭などで起きる心理的事象を科学的に理解する力を身につけている。
④ 個人の発達や適応に関する十分な知識を持ち、他者への理解や支援に活用できる力を身につけている。
⑤ 人々の福祉のために心理学の知識と技能を活かす倫理観を身につけている。
学士号を取得するためには、本学に4年以上在学し、全学共通科目(外国語科目、必修科目を含む)より36単位以上、学科専門科目より68単位以上(必修科目を含む)、他学科の専門科目又は他学部の開講科目から自由選択できる科目18単位以内、合計124単位以上修得する必要があります。
心理学科では、心理学の専門的知識や研究法を修得して、心の問題に適切に対応できるカウンセリング力を持った人材や、困難な状況においても自ら解決し主体的に生きる力を身につけた人材を育成するため、次のような方針に基づいて教育課程を編成し、実施します。
① 人間の心と行動にかかわる知識?技能を身につける。このため、人間の心と行動のつながりを理解することができるように、心理学概論Ⅰ、心理学概論Ⅱ、心理学実験、心理学研究法などの基礎科目から臨床心理学概論、社会心理学概論(社会?集団?家族心理学)、発達心理学概論、カウンセリング心理学(心理学的支援法)、心理療法論といった応用科目を幅広く用意する。
② 人とかかわる力やコミュニケーション力と幅広い教養を身につける。このため、少人数演習形式の基礎演習Ⅰ?Ⅱ、コミュニケーション心理学といった人と関わる力の専門的科目に加えて、人文、社会科学、自然科学、外国語など幅広い教養を身につけることができる科目を用意する。
③ 心と行動にかかわる現象を科学的方法によって明らかにする。このため、人間を認知、感情、行動の3つの視点から体験的に理解することができるように知覚心理学、認知心理学(知覚?認知心理学)、欲求?行動心理学、学習心理学(学習?言語心理学)、認知行動療法といった科目を用意している。
④ 心理学の理論と技法を生かし、キャリア力の一環として自己及び他者、社会と豊かに関わる力を身につける。このため、人と人のつながり、人と社会のつながりについて専門的に理解することができるように、人間関係学、家族心理学、組織心理学、コミュニティ心理学といった専門科目を用意する。
⑤ 社会で心理学の知識と技法を生かして、仕事を円滑に進めるために必要な倫理観や総合的にまとめる力を身につける。このため、生命の尊重、人権擁護、倫理観を身につけることができるように、生命の倫理、倫理学、憲法といった教養科目を用意する。また、最終学年において、卒業論文または卒業研究に取り組むことにより、専門科目履修の総括とする。
履修の方法としては、学生が学習に積極的に取り組むように、二人一組で自分の意見を発表し、相手の意見を聞く、3、4人の小集団で意見を出し合い議論する、課題を設定しより良い解決方法を求めるなど能動的な学習方法を取り入れます。こうした教育課程の実施を通じて、学生の「学ぶ楽しさ、知るよろこび」の体験と、自律的?積極的な学修への取り組みを促します。
これらの授業科目の配置については、コース制はとっていませんが大きな分類として、学生の将来の進路に応じて、臨床心理学系科目を深く専門的に学ぶ履修モデル、社会心理学系科目を深く幅広く学ぶ履修モデルを用意します。国家資格として法制化された公認心理師の受験資格には、学部レベルから心理学に関する科目の体系的な履修が必要になりますので、このようなニーズに応える授業科目を用意し、学生にわかり易い履修モデルを用意します。